伝統の織物のひとつ暖簾もコピーの時代

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日本が世界に誇る文化の一つが織物であり、独自に発達した
織物技術によってデザイン性の高い布製品が数多く生まれています。

その代表例が挙げられるのが暖簾であり、玄関に立て掛けるもしくは
一本の棒に括り付けるようにして使う織物です。

もともとは戦国時代において家紋を知らせるために使われていたものですが、
戦国の世が終わった後は平和的な役目として今日までの使い方となっている
お店の宣伝に利用されるようになります。

お店の宣伝になるのれん

そんな暖簾は長年宣伝用に用いられてきましたが、
現状において環境が変化をしているのです。

これまでの暖簾は完全オーダーメイドであり、職人に依頼をして
何度も話し合いをしたうえでデザインを決めて作成してもらう形になります。

この方法の良さは、完全オーダーメイドなので世界に一つしかない
オリジナル作品を作ることができるので宣伝効果が高いです。

ただ完全オーダーメイドは作成に時間がかかるだけでなく、
複製ができないため時間がたって劣化をしてしまうと
新しく作り直す必要があります。

そこで暖簾業界にも新しい技術が必要となり、オーダーメイド以外の作り方として
コピーの技術を生かした印刷方法を考案したのです。

コピー技術のひとつ昇華転写

暖簾作成に使われるコピー技術には様々な方法がありますが、
その中でも特に利用される数が増えているのが昇華転写です。

この昇華転写という方法は、CADといった図面作成アプリを利用して
端末上でデザインを作る手法になります。

のれんのプリント技法

端末上で希望の織物の形を設定し、その織物の図面に合わせて
店名や商品の絵柄などのデザインを入力していくのです。

何度も手直しをして納得がいくデザインができたら、
それを様々な種類のインクのが入ったコピー機に転送します。

事前に指定しておいた形の織物を設置して、コピー機を作動させれば完成です。

この昇華転写のメリットは、事前に設計図を作ってから
コピーをするので大量生産がしやすいです。

そしてもう一つのメリットが、オーダーメイドに近いレベルで
カラフルなデザインを作ることができる点になります。

カラフルなデザインにすることで店頭での広告だけでなく、
任意の形の織物に転写することでインテリアとして活用が可能です。

オフィスの入り口や室内の一部に立てかけることで
エントランスデザインとして活躍できます。

特に色彩には視覚効果として集中力アップなどの効果を発揮してくれるので、
うまく活用をすることで働きやすい場所として暖簾が活躍してくれるのです。